基礎断熱の問題点 北海道における白アリ被害事例

胆振東部地震の倒壊の要因に白アリという衝撃的な内容です。
胆振東部地震の倒壊の要因に白アリという衝撃的な内容です。

基礎断熱の特徴は床下に冷気が侵入しないため、1階の床面の温度が温かく快適であるが、床下の湿気バランスが崩れるとカビが発生しやすく、これらが換気により室内に吸い上げられていることになります。
しかし、その人体への影響については検証されておりませまた、木構造で最も大事な部材である土台と基礎が「密着」しているため、この土台の内部で腐食が進行しても判別が難しいです。
(土台は腐食が進行しても取り替えは出来ません)

一方、床断熱は「床下に風を通す」ため、床下に湿気が生じてもカビたりする危険性が少ないです。
当然土台の下部に空間があるため土台の乾燥も常に保つことが可能ですが、床面の温かさや床下の配管の凍結防止性については基礎断熱に劣っています。

私は気温の上昇や起きている事象に伴い、この床下の断熱構造について都度研究・実施・改良を繰り返して現在に至っております。

北海道の気温上昇と白アリ被害の発生

遡ること2002年頃から基礎断熱両側にて設計施工していましたが、2009年頃からは北海道でも気温が高くなってきたのを感じ、また札幌市内でも白アリの被害が散見されてきたこともあり、基礎断熱材を内側のみにする工法としました。

基礎断熱の住宅においては、適切な通気乾燥養生にもかかわらず施工中の床下の湿気が逃げず、1階床合板の裏側に多数のカビが生じやすい事実を確認しました。

よく「三種換気ダクトを床下に入れておけば問題ない」という技術者が多いですが、自身半日近くの時間、床下に潜りカビの発生状況をこの目で見て床下の空気が動いているのはごく一部であることを確認しました。

また基礎断熱の経年確認において床下のコンクリート表面に埃の膜が生じているのを確認しています。

研究・実施・改良から導き出した現在のご提案

これらを何度も確認してきた経緯から2014年からは基礎パッキン工法による床断熱を標準にてご提案することにしています。

また注文住宅のお客様には、基礎断熱・床断熱双方のメリットデメリットについて率直に解説し、お施主様ご自身の意見も取り入れた上で床下の設計に取り組むように心がけております。