大工さん・電気屋さん・水道屋さんでも出来ないこと

「コンセントを見せたくない」というのがお施主様のご要望。

便器後方の格納部分にて床下から配線を廻してコンセントを接続しようという算段で、

大工さん・電気屋さん・水道屋さんを集めて現場で協議。

・床仕上げがタイルなので、穴を開けると割れる可能性が高い。

・給排水配管を縫うように穴を開けることは困難。

･･･などの理由で、

大工さん・電気屋さん・水道屋さん共に、「出来ない」

ということで、私が行うことにしました。

10cmあるかないかくらいのスペース、

覗くのがやっとで上から工具など入る余地はありません。

穴開け作業で便器や給水配管を傷つけるわけにも行きません。

更に床はタイル、下手をするとパリンと割れてしまいます。

目地を狙うしか･･

しかし床下からでは目地は見えない･･

床下からの穴あけとは思えない正確な穿孔。

職人さんでも出来ないことを成すのが建築士。

･･建築は総合力。

設計上手でも、施工が出来なければ絵に描いた餅。

施工できても、設計できなければ、偏った建物になる。

バランスが大切。

･･出来もしないことを「出来る」と言って職人さんに押し付けても良い結果にはならず。

お施主様に対して「出来る」と言ったことは、専門職の方が出来なかったとしても、自分がやる責任と熱意と愛情を持って、

初めて本当に良い家づくりができると私は考えています。